演劇最強論-ing

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マーク・テ『Baling(バリン)』(10/22~)

公演情報

2016.10.5


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Courtesy of Asian Arts Theatre


KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2016 AUTUMN 公式プログラム

わたしたちは歴史をいかに見るか。
10年をかけたドキュメンタリー演劇の意欲作がマレーシアから登場


1980年代に設立されたマレーシアのファイブ・アーツ・センターは、アクティビストやプロデューサーが主体的に参加する活動体として、彼の地のアートシーンにおいて強い存在感を放っている。本作『Baling(バリン)』の演出を務めるマーク・テは、そのファイブ・アーツ・センターの一員であり、演出家、キュレーター、研究者と多くの顔を持つ。
本作で取り上げる「バリン会談」とは、1955年、現政権(マラヤ連邦)とマラヤ共産党の首脳が直接対話をしたことで、マラヤ非常事態/革命闘争を終結させるための試みとして世界中の注目を集めた出来事。彼はこの会談に関心を寄せ、2005年以来実際の会談の採録を用いたドキュメンタリー・パフォーマンスの連作を上演。本作はその試みの集大成ともいえる。
会談記録やニュース映像などを用いた会談の再現の合間に、中心人物の一人であるマラヤ共産党書記長チン・ペンのイメージ形成をめぐる考察を織り交ぜることで、絶えず変形され修正されてゆく歴史のプロセスを検証する。アクティヴィストでもある4人の俳優が、個々の信条・思想的背景を背負ったまま演じることで、60年以上前の出来事と現代とが鮮やかに交錯する本作。公に語られずにきた歴史を明るみに出すだけではなく、我々に歴史への複眼的な思考を促すはずだ。

演出:マーク・テ
出演:アン・ジェームス、イムリ・ナスティオン、ファイク・シャズワン・クヒリ、ファーミ・ファジル
クリエイティブプロデューサー:ジューン・タン

■日程・会場:
2016/10/22[土]17:30、23[日]14:00/19:00、24[月]19:00
京都・ロームシアター京都 ノースホール
■料金:
自由席
一般:前売3000円、当日3500円
ユース・学生:前売2500円、当日3000円
シニア:前売2500円、当日3000円
高校生以下:前売1000円、当日1000円
ペア:5500円
※ユースは25歳以下、シニアは65歳以上
※ペアは前売りのみ
■上演時間:100分
■上演言語:英語(日本語字幕付き)

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