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範宙遊泳『われらの血がしょうたい』

公演情報・チケット販売

2025.12.19



この作品の初演は2015年でした。当時、私としては納得のいく仕上がりになったものの、トラウマになるほど観客の一部からは「よくわからない」と言われた作品でした。あれから10年以上が経過し、AIがいよいよ生活に侵食してきた現代において、この作品が描いていた本質がより鮮明に実感を伴って伝わるはずです。その本質とはつまり、人間は、非生命への慈悲と思いやりを新たな感情から築くことができるか、という問いです。今作では、視覚的にアプローチしていた初演の手法に加え、聴覚的な感度の高さと古今東西を軽やかなセンスでリミックスするヌトミックの額田大志さんに演出をお願いいたしました(もちろん、読売演劇大賞中間発表の前からのオファーです!)。範宙遊泳の新たな挑戦にぜひご期待ください。

山本卓卓


10年前の横浜で『われらの血がしょうたい』の初演を見ました。劇場を出て、今の作品はなんだったんだろうと、冬の桜木町を歩いたことを、よく思い出します。今でも時折、あるシーンが浮かんだりもします。それだけ、当時の私にとって確かな衝撃で、得体の知れない何かを体験したような、そんな上演だったと思います。だからなのか、新キャスト・新演出版の演出家として声をかけてくれたとき、率直に、やってみたい、と思いました。断片的な情報が散りばめられた戯曲の中から、まさにインターネットの海を彷徨うように、人間の真に迫る言葉を拾い集めていく、そんな稽古になるような気がします。また新しい範宙遊泳であり、懐かしくも新鮮な上演になるよう、チームのクリエイティビティを存分に享受しながら、10年という時の流れも味方につけて、精一杯やり切りたいと思います。

額田大志

作・映像:山本卓卓
音楽・演出:額田大志(ヌトミック)
アートディレクション:たかくらかずき
出演:井神沙恵、植田崇幸、埜本幸良、福原冠(以上範宙遊泳)、端栞里(南極)

■日程:2026/2/21[土]~3/1[日]
■会場:シアタートラム
■料金:
一般:4,800円 U29*:3,800円 高校以下*:1,000円
障がい者割引|一般:4,000円/U29:3,000円
応援チケット**|10,000円
世田谷パブリックシアター友の会割引(前売のみ):4,500円
せたがやアーツカード割引(前売のみ・世田谷区在住の方対象):4,600円
当日券:各500円増し
*=受付にて要証明書提示。
**=一般料金との差額分は本作品の範宙遊泳の活動資金にさせていただきます。

「演劇最強論-ing」でチケット取扱アリ!(12/21[日]10:00~)
チケットのお申込は下記ボタンから。

範宙遊泳

2007年より、東京を拠点に海外での公演も行う演劇集団。 すべての脚本と演出を山本卓卓が手がける。現実と物語の境界をみつめ、その行き来によりそれらの所在位置を問い直す。 生と死、感覚と言葉、集団社会、家族、など物語のクリエイションはその都度興味を持った対象からスタートし、より遠くを目指し普遍的な「問い」へアクセスしてゆく。 近年は舞台上に投写した文字・写真・色・光・影などの要素と俳優を組み合わせた独自の演出と、観客の倫理観を揺さぶる強度ある脚本で、日本国内のみならずアジア諸国からも注目を集め、マレーシア、タイ、インド、中国、シンガポール、ニューヨークで公演や共同制作も行う。 『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。 『バナナの花は食べられる』で第66回岸田國士戯曲賞を受賞。 ★公式サイトはこちら★