演劇最強論-ing

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チェルフィッチュ×金氏徹平『消しゴム山』『消しゴム森』(10/5~)

公演情報

2019.07.25



「消しゴム山」 メインビジュアル ©︎Shota Yamauchi

人間のスケールを脱する演劇とは?
人、モノ、時間、空間、言葉が、未知のすがたで現れる


劇場版、美術館版の両バージョンに展開
コラボレーターに美術家・金氏徹平を迎え、「映像演劇」の手法も取り入れて挑む新機軸

作品概要
いま・ここにいる人間のためだけではない演劇は可能か?人とモノが主従関係ではなく、限りなくフラットな関係性で存在するような世界を演劇によって生み出すことはできるのだろうか?
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市では、失われた住民の暮らしを取り戻すべく、津波被害を防ぐ高台の造成工事が行われている。もとの地面から嵩上げされる高さは10メートル以上。そのための土砂は、周辺の山をその原型を留めないほど大きく切り崩すことでまかなわれている。
岡田利規は、2017年に同地を訪れ、驚異的な速度で人工的に作り変えられる風景を目の当たりにしたことをきっかけに、「人間的尺度」を疑う新作の構想を始めた。コラボレーターには、コラージュを主な手法とし、演劇的な視点を貪欲に取り込み創作の領域を拡張させる美術家・金氏徹平氏を迎える。また、昨年からチェルフィッチュが力を注ぐ「映像演劇」も取り入れながら、俳優の身体や言葉のありようにも新たなアプローチが試みられる。人間中心主義から逸脱する先にあらわれる風景とは。演劇をアップデートし続けるチェルフィッチュの最新形。

劇場版『消しゴム山』・美術館版『消しゴム森』を制作
これまでにも美術館やギャラリー空間に「演劇」を持ち込み、その場所がもつ潜在的なドラマ性や空間の新たな手触りを浮かび上がらせてきたチェルフィッチュ。今回は、劇場(演劇空間)と美術館(展示空間)それぞれの空間の特性やナラティブを捉え直し、ひとつの作品コンセプトをふたつの異なる空間にインストールする。また、劇場版・美術館版ともに 〈映像演劇〉 を取り入れることで、作品を多層化するだけでなく、映像/空間/鑑賞者の関係性に新たなレイヤーを提示する。鑑賞者はそれぞれの空間に身を置くことで、自身と作品、そこにある時間や空間と新たな関係を結び直す。それは、「演劇」や「美術」といった領域の境界を融解させる試みでもある。

作・演出:岡田利規
セノグラフィー:金氏徹平
出演:青柳いづみ、安藤真理、板橋優里、原田拓哉、矢澤誠、吉田庸、米川幸リオン

『消しゴム山』
■日程・会場:2019/10/5[土]~6[日] ロームシアター京都 サウスホール
■料金:指定席
一般 前売4,000円/当日4,500円
25歳以下 前売3,000円/当日3,500円
高校生以下 前売/当日1,000円
ペア 前売7,500円/当日8,000円

『消しゴム森』
■日程・会場:2020/2/7[金]~16[日](仮)金沢21世紀美術館 展示室7~12, 14 ほか

チェルフィッチュ

岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして97年に設立。独特な言葉と身体の関係性を用いた手法が評価され、現代を代表する演劇カンパニーとして国内外で高い注目を集める。05年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。07年クンステン・フェスティバル・デザール2007(ブリュッセル/ベルギー)にて初の国外進出を果たして以降、世界70都市で上演。近年では、ヨーロッパを代表するフェスティバルの委嘱により作品を制作、発表している。主宰・岡田は、07年デビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を新潮社より発表し、翌年第二回大江健三郎賞受賞するなど小説家としても活動している。また、16年よりドイツ有数の公立劇場ミュンヘン・カンマーシュピーレのレパートリー作品の演出を3シーズンにわたって務めた。 ★公式サイトはこちら★