演劇最強論-ing

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チェルフィッチュ×金氏徹平「消しゴム山」(2/11~)

公演情報・チケット販売

2021.01.21




人間のスケールを脱し、世界を見る目を更新する演劇
人、モノ、時間、空間、言葉が、未知のすがたで現れるーー


演劇という人間のための営みを通して、人間とモノ、それらを取り巻く環境とがフラットな関係で存在する世界を生み出すことはできるだろうか。

東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市。津波被害を防ぐ高台の造成工事は驚異的な速度で風景を人工的に作り変えつつあった。岡田利規がその光景を目撃したことから構想された「人間的尺度」を疑う作品は、彫刻の領域を拡張し続ける美術家・金氏徹平をコラボレーターに迎え『消しゴム山』として実現した。無数にモノの並ぶ空間で俳優はモノと新たな関係を構築し、それを目撃する観客もまた、世界を新たな目で見ることになる。

2019年10月の『消しゴム山』京都初演から1年。劇場からスタートした試みはさまざまな空間へと展開してきた。『消しゴム森』では美術館というモノのための空間に俳優が入り込み、モノとのパフォーマンスはさらなる進化を遂げた。その成果は『消しゴム畑』で俳優の生活空間へと持ち込まれ、日常の風景の見え方を変えた。再び劇場へと回帰した『消しゴム山』はどのような風景を描き出すのか。「消しゴム」シリーズの最新形。


消しゴム山、というのは根本的に新しい演劇をつくるということに着手したいと考えたわれわれがつくってみた山ですが、〈根本的に新しい〉ということについてもう少し具体的に、どこを新しくしたいと思っているかというのを補足するならば、人間を中心にすえたナラティヴの中で生きる人間のための・そんな人間にとっての問題とされていることを扱うための、容器としての演劇を、なにかそうではないものへとずらしていくというか拡張していくというか、そういうことがしたいと思ったのです。それは人間にとって、演劇の観客であることのできるフツーに考えたら唯一の存在であるはずの人間にとって、この先必要となってくることだろうとも思ったのです。

岡田利規

何処でも無い場所、何時でも無い時間、誰でも無い人、何でも無いモノ、これらを作り出すことは僕にとっても永遠のテーマですが、演劇という場にその可能性を感じています。それらを立ち上げよう、積み上げようとすることそのものが「消しゴム」シリーズであると言えるかもしれません。 その最初の作品である「消しゴム山」は「森」を巡り、「石」を手に取り、「畑」を耕したことによって、変形して見えるかもしれません。同じ山でも見る場所や季節や天候によって、その存在感、距離感、スケール感が全く違って見えるように。

金氏徹平



作・演出:岡田利規
セノグラフィー:金氏徹平
出演:青柳いづみ、 安藤真理、板橋優里、 原田拓哉、 矢澤誠、米川幸リオン

■日程:2021/2/11[木]~2/14[日]
★2/13[土]12:00回…鑑賞マナーハードル低めの回:客席でジッと静かに座っていることは観劇の基本的なマナー。でもそれが観劇のためのハードルに感じられてしまうこともあります。「子供がおしゃべりしちゃうかも」「障害があって上演中に休憩したくなるかも」など、演劇は観たいけど心配なことがあるという方にも気兼ねなくご観劇いただくために、この回の客席では鑑賞マナーを少しだけゆるくすることにしました。それでも心配、という方はお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ:株式会社プリコグ 03-6825-1223
☆2/14[日]14:00回…ライブ配信あり
※入場時に検温を実施いたします。37.5℃以上の方はご入場をお断りさせていただきます。
※原則マスク着用でのご来場をお願いしております。持病等のやむを得ない事情によりマスク着用が難しいお客様は、事前にご連絡いただくか、ご入場時にその旨をお知らせください。
※全公演に記録撮影が入ります。
※内容に変更が生じる場合がございます。詳細はホームページ、SNS等をご確認ください。

■会場:東京・あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)
■料金:全席指定
<前売>
一般:4,500円、29歳以下:3,500円
豊島区民割引:4,000円(前売のみ、豊島区在住・在勤・在学/要証明書提示)
障害者割引:3,000円(介助者1名まで無料)
<当日>
一般:4,800円、29歳以下:3,800円
障害者割引:3,000円(介助者1名まで無料、前売・当日同額)
*未就学児は膝上観劇可(入場無料)。ただし席が必要な場合はチケットをお求めください。
*車椅子をご利用の方はreserve.precog@gmail.comまでお知らせください

■上演時間:2時間10分
■上演言語:日本語上演、日英字幕

*手話通訳あり
ロビー開場中、劇場受付・ロビーに手話通訳者を配置しております。

*東池袋駅までのお迎え
車椅子でお越しの方や視覚障害をお持ちの方など、駅から劇場までにお手伝いが必要な方へ、東池袋駅までのお迎えを実施いたします。ご希望の方は株式会社プリコグ reserve.precog@gmail.comまでご連絡ください。

*エクストラ音声ガイド貸出
通常回上演の構成要素に、ナレーション音声(作・演出:岡田利規の書き下ろしテキストを読み上げたもの)が重なる骨伝導イヤホンの貸出を行います。上演と合わせて聞くことで、エクストラな『消しゴム山』が姿を現します。
(数量限定・当日劇場受付にて希望者にのみ貸出・視覚障害の方優先)


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チェルフィッチュ

岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして97年に設立。独特な言葉と身体の関係性を用いた手法が評価され、現代を代表する演劇カンパニーとして国内外で高い注目を集める。05年『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。07年クンステン・フェスティバル・デザール2007(ブリュッセル/ベルギー)にて初の国外進出を果たして以降、世界70都市で上演。近年では、ヨーロッパを代表するフェスティバルの委嘱により作品を制作、発表している。主宰・岡田は、07年デビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を新潮社より発表し、翌年第二回大江健三郎賞受賞するなど小説家としても活動している。また、16年よりドイツ有数の公立劇場ミュンヘン・カンマーシュピーレのレパートリー作品の演出を3シーズンにわたって務めた。 ★公式サイトはこちら★