演劇最強論-ing

徳永京子&藤原ちから×ローソンチケットがお届けする小劇場応援サイト

KAAT・KUNIO共同製作 KUNIO15『グリークス』(11/21~)

公演情報・チケット販売

2019.07.24




10時間のギリシャ悲劇一挙上演!
人間と神、正義と過ち、秩序と混沌が入り乱れる一大狂宴演劇。


KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『ルーツ』(2016年)、同『オイディプスREXXX』(2018年)とKAAT神奈川芸術劇場で新作を発表してきた演出家の杉原邦生が2019年11月に『グリークス』を演出いたします。

『グリークス』は、1980年にイギリスで初演された10本のギリシャ悲劇をひとつの長大な物語に再構成した長編の舞台作品。第一部「戦争」、第二部「戦争」、第三部「神々」からなる三部構成で上演時間はおよそ10時間にも及ぶ作品です。本作品に、2011年KUNIO11『エンジェルス・イン・アメリカ 第一部「至福 千年紀が近づく」第二部「ペレストロイカ」』の連続上演以降、木ノ下歌舞伎『三人吉三』(2014年、2015年)、同『東海道四谷怪談―通し上演―』(2013年、2016年)と、長編の硬質な戯曲に取り組んできた演出家の杉原邦生が、第一部、第二部、第三部の連続上演に挑みます。

また、今回の上演にあたって、翻訳を小澤英実さんが担当いたします。2014年のKUNIO11『ハムレット』以降、KUNIOでは海外戯曲を上演する際に出来る限り新翻訳を行っています。“いま、この時代に上演すること”をテーマに、翻訳者とともに「言葉」の多様性を捨てずに選び、創作にあたりたいと考えます。



演出 杉原邦生より


僕は〈大きな演劇〉が好きです。僕の言う〈大きな演劇〉とは、時間や空間、物量など物理的な〈大きさ〉の上に、物語としての〈大きさ〉をあわせ持った演劇のことです。簡単に言えば、長ったらしくて壮大なストーリーの演劇が好きということです。なぜなら、長い時間をかけることでしか表現できない物語や世界があるから。そして、そういう作品でしかつくり出せない祝祭的な時間と空間がたまらなく好きだから。それが僕の思う〈大きな演劇〉の魅力であり、『グリークス』はその魅力が詰まりまくった演劇だと言えます。

「誰のせいだったのか。」─── 約2500年前、古代ギリシャで生まれた悲劇10本によって紡がれるこの物語が、現代の僕たちに投げかけてくる問い。それは、とてもシンプルです。人は抱えきれないほどの不幸や災難、苦しみや悲しみに襲われたとき、必死にその原因をわかりやすい形で求めはじめます。やがて、ひとつの答えが導き出されると、憎しみや怒りが湧き上がり、そのものを消し去りたいと強く願います。そして、その強い願いがまた新たな悲劇を生み出していくのです。

「誰のせいだったのか。」と過去を掘り下げていくことが悲劇を生み続けていく。この連なりは一体いつになれば終わるのか。いつになれば人間は悲劇から解き放たれるのか。もしかすると、この〈大きな〉問いと戦い続けることこそ、《戦争》も《殺人》もなくなることのない世界に生きる僕たち人間に、《神々》が与えた宿命なのかもしれません。しかし、この宿命はひるがえって、〈希望〉であるとも言えます。これまで答えの出ない問いに向かい続けることができたのは、そこに僕たち人間が僅かながらも可能性を見出してきたからだと思うからです。

10時間という長大な上演時間の中、古代ギリシャの悲劇を通して、人間が見出したその〈希望〉を生き活きとエキサイティングに現代へ描き出したいと考えています。そして、この〈大きな演劇〉が持つエネルギーとその魅力を、ぜひ劇場で共に体感してほしいと願っています。



翻訳:小澤英実
演出・美術:杉原邦生
出演:天宮良、安藤玉恵、本多麻紀(SPAC-静岡県舞台芸術センター)、武田暁(魚灯)、石村みか(てがみ座)、箱田暁史(てがみ座)、田中佑弥(中野成樹+フランケンズ)、渡邊りょう、藤井咲有里、福原冠(範宙遊泳)、森田真和、池浦さだ夢(男肉 du Soleil)、土居志央梨、河村若菜(SPAC-静岡県舞台芸術センター)、毛利悟巳、森口彩乃、井上夕貴(さいたまネクストシアター|PAPALUWA)、永井茉梨奈、中坂弥樹、尾尻征大、井上向日葵、岩本えり、三方美由起、松永玲子(ナイロン100℃)、外山誠二(文学座)、小田豊
※当初発表より、一部変更となっております。

■日程:2019/11/21[木]~11/30[土] 各日 第一部11:30開演、第二部15:00開演、第三部18:30開演
■会場:KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
■料金:全席指定
一日通し券:10,000円
各部チケット:一般5,000円、U-24(24才以下)2,500円、シルバー(65才以上)4,500円、高校生以下1,000円
※未就学児入場不可

「演劇最強論-ing」でも「一日通し券」チケット取扱!
【演劇最強論先着先行】7/28[日]12:00~31[水]23:59まで
【一般発売】8/3[土]10:00~発売開始!

チケットのお申込は下記ボタンから。

KUNIO

杉原邦生が既存の戯曲を中心に様々な演劇作品を演出する場として、2004年に立ち上げる。俳優・スタッフ共に固定メンバーを持たない、プロデュース公演形式のスタイルで活動する。杉原が2年間務めた“こまばアゴラ劇場”のサミットディレクターの集大成として、初めて既存戯曲を使用せず構成から杉原自身が手がけたKUNIO07『文化祭』や、上演時間が約8時間半にも及ぶ大作『エンジェルス・イン・アメリカ』を一部、二部を通して上演するなど、杉原の演出力により、戯曲はもちろん、劇場空間自体に新しい風を吹き込むことで、作品を生み出している。近年の作品に、KYOTOEXPERIMENT 2012公式プログラム KUNIO10『更地』[作:太田省吾/2012年9月上演]、KUNIO08『椅子』ファイナル[作:ウージェーヌ・イヨネスコ/2013年3月上演]、KUNIO11『ハムレット』[作:ウィリアム・シェイクスピア/2014年7ー8月上演]などがある。 ★公式サイトはこちら★