演劇最強論-ing

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山本卓卓ソロ企画 「キャメルと塩犬」

公演情報・チケット販売

2023.03.18




【企画概要】
範宙遊泳の山本卓卓が「私の演劇」を見つめ直し「演劇になる」ためのソロプロジェクト。
私はもともと俳優になるために演劇を志した。ところが演劇をはじめてしばらく、演じたい役がないために仕方なく自分で戯曲を書き、他人に指図されるのが嫌なために仕方なく自分で演出をするようになった。今では俳優というよりはすっかり劇作家・演出家になっている。俳優はもう何年もやっていない。本当のことを言えば、俳優をやっていない間もずっとオモテのプレイヤーでいたい、という欲望があった。この身で、自分の言葉を、自分で発し、自分で動きたいといつも思っていた。なぜしなかったか。劇作と演出でいっぱいいっぱいだったからだ。私がいっぱいいっぱいになればなるほど、共演者にしわ寄せが来る。とりわけ私は台詞覚えが悪い。自分で書いた台詞なのに覚えが悪い。だからこれ以上いっぱいいっぱいの種を増やさぬよう、当初の欲望の芽を摘み、共演者に迷惑をかけない道「裏方」を選んでいた。俳優を諦めた、というよりは、その背中が視界に入らぬよう脇に追いやっていた。しかし近年、経験値なのか昔よりも執筆の速度が上がった(ちょっとね)。演出も悩みこそすれ優柔不断で先に進めない、なんてことはなくなった(ちょっとね)。劇作も演出も前もってプランニングし、その都度エラーが起きても取り入れたり取り除いたりしながら、自分の能力を最大限発揮する方法がなんとなく見えてきた(ちょっとね)。見えてくると脇に追いやっていた俳優の顔が鎌首をもたげた。こうなってみると、なんだかもどかしく、物足りなくなってくる。本番期間中は場当たりを終えてしまえばやることがない。これが非常に暇で苦痛で、だから映像のオペレーションをしたりして、少しでもプレイヤー側にいようとした。けれどもやっぱりなんだか物足りない。私はただ単に俳優をやりたいのか? いや、そういうわけでもないらしい。私は演劇のすべてを経験し、演劇そのものになりたいのだ。そのために、やっぱり一回ぜんぶ自分でやろうと思った。

【内容】
古典落語の「らくだ」をモチーフに現代の上下関係(上司と部下)へと置き換える。上から下への力の構造を暴き、物語の途中で上下を反転させることで、人間の持つ愚かな暴力の連鎖と現代社会の不確かさを描く。かといってタッチはあくまで軽快なブラックコメディを目指す。なお、落語のように複数役を山本が一人で演じる。「らくだ」のように飲酒のシーンがあり、本物の酒にするかどうかを検討中。←本物の酒にはしないと思う。
※一部暴力的な表現や発言がございます。あらかじめご了承のうえ、ご観劇ください。

原案:古典落語「らくだ」
作・演出・音響・照明・映像・出演・企画・主催:山本卓卓

■日程:2023/5/25(木)~28(日)
■会場:三鷹SCOOL
■料金:一般3,500円、高校生以下1,000円

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範宙遊泳

2007年より、東京を拠点に海外での公演も行う演劇集団。 すべての脚本と演出を山本卓卓が手がける。現実と物語の境界をみつめ、その行き来によりそれらの所在位置を問い直す。 生と死、感覚と言葉、集団社会、家族、など物語のクリエイションはその都度興味を持った対象からスタートし、より遠くを目指し普遍的な「問い」へアクセスしてゆく。 近年は舞台上に投写した文字・写真・色・光・影などの要素と俳優を組み合わせた独自の演出と、観客の倫理観を揺さぶる強度ある脚本で、日本国内のみならずアジア諸国からも注目を集め、マレーシア、タイ、インド、中国、シンガポール、ニューヨークで公演や共同制作も行う。 『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。 『バナナの花は食べられる』で第66回岸田國士戯曲賞を受賞。 ★公式サイトはこちら★