演劇最強論-ing

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『CHITENの近未来語』

公演情報

2015.09.14


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作品の半分が公演当日の朝刊、もう半分が小松左京のSF小説で構成される本作。
抹消されてしまった戦争の記憶、十万年前から問題だった発電の手段、携帯電話が当たり前の今となっては想像もつかない電話交換手が必要だった時代――。歴史認識やテクノロジーの進化によって、私たちの時間感覚はまるでSFの世界に放り込まれたように日々揺さぶられているようです。
考えてみれば、70年前の戦争体験から火星探査までを扱う新聞にはSFの要素がてんこもりですし、小松左京もまた、新聞を読みながらSF小説を書いていたわけで、両者が思わぬ親和性を発揮しても不思議ではないのでしょう。
その日の新聞から引用された箇所はその日限りで使い捨てとなってしまうこの作品の潔さと儚さも、無限に広がる宇宙空間で孤独を噛み締める体験とどこか似通っているかもしれません。
地点が満を持しておくる〈無重力演劇〉、他では味わえないその切実さをぜひアンダースローという〈超空間〉で体感してください。

使用テキスト:今日の新聞(朝日新聞日刊)、小松左京『さよならジュピター』、『果しなき流れの果に』、『神への長い道』、『戦争はなかった』、『こちらニッポン…』
演出:三浦基
出演:安部聡子 石田大 小河原康二 窪田史恵 河野早紀 小林洋平

■日程:2015/10/15[木]~17[土](開演 20:00 上演時間 約65分)
■会場:アンダースロー
■料金:\2,000

地点

 多様なテクストを用いて、言葉や身体、光・音、時間などさまざまな要素が重層的に関係する演劇独自の表現を生み出すために活動している。劇作家が演出を兼ねることが多い日本の現代演劇において、演出家が演出業に専念するスタイルが独特。  2005年、東京から京都へ移転。2006年に『るつぼ』でカイロ国際実験演劇祭ベスト・セノグラフィー賞を受賞。2007年より<地点によるチェーホフ四大戯曲連続上演>に取り組み、第三作『桜の園』では代表の三浦基が文化庁芸術祭新人賞を受賞した。チェーホフ2本立て作品をモスクワ・メイエルホリドセンターで上演、また、2012年にはロンドン・グローブ座からの招聘で初のシェイクスピア作品を成功させるなど、海外公演も行う。2013年、本拠地京都にアトリエ「アンダースロー」をオープン。(法人名:合同会社地点) ★公式サイトはこちら★