演劇最強論-ing

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iaku『逢いにいくの、雨だけど』(4/17~)

公演情報・チケット販売

2021.01.25




-ごあいさつ-
2018年12月初演以来、同じメンバーでの再演です。
当時、この作品を上演し終えたときに、戯曲としてはこれまでの集大成、演出としてはここから新たな境地を捕まえたような充足感がありました。あれから2年が経ち、コロナもあって、作品づくりに対する構え方に怯えや不安が伴うようになりました。
前作『The last night recipe』の執筆期間を思い返すと、迷走に迷走を重ねて迷子になり、苦心に苦心を重ねて心が潰されそうになりながら、よく作品になったという感慨があります。コロナ禍の今、ちょっと新作に挑むにはしんどくて、だからこのタイミングで手応えのあった『逢いにいくの、雨だけど』に取り組めることは、ありがたくて仕方ないのです。描くのは平成30年と平成3年なので、作品内でコロナのことを考える必要がないことだけでも、かなり気持ちが軽いです。
三鷹市芸術文化センターの森元さんが初演の上演中に、僕自身まだ作品に対して何の確信も持てていなかったにも関わらず、再演の打診をしてくれたことに今となっては感謝しかありません。その後、第22回鶴屋南北戯曲賞にノミネートされたり、第26回OMS戯曲賞佳作を受賞したりと、客観的な評価をいただいたことも大きかったのですが、何よりも森元さんの再演の打診こそが大きな勇気になりました。三鷹市芸術文化センター、ちょっと遠い印象があるかもしれませんが、ご来場お待ちしています。
そして、大阪公演の会場は、僕の地元、吹田市のメイシアター中ホールです。メイシアターには古矢さんという、僕の大学の先輩で、僕が地元の地方新聞に就職した22歳の頃からお世話になっている方がいます。何年か前に古矢さんと話をしているときに、「もうすぐ定年」なんて言葉をチラつかせてきたもんだから、古矢さんがメイシアターにいるうちに一緒に仕事がしたいと思ってこの公演の企画を持ち込みました。
なんでこんな個人的なことを書いているのかというと、コロナに振り回されながら、改めて演劇も社会も人と人との繋がりで成立していることを思い知ったからです。「この人に勇気をもらった」とか「この人と一緒に仕事がしたい」とか、そういう正直な気持ちを表明して、僕はまだ誰かと繋がっていることを実感したいのかもしれません。そして、稽古場で座組のメンバーと、劇場で客席に座ってくれる皆様と繋がりたいのです。
新型コロナウイルスを経験して1年が経ちましたが、未だ公演の準備は手探りで、上演できるかどうかは「賭け」であり、「運」でしかないと言えます。春にはどういう状況になっているのか。数ヶ月先が見通せない時代です。早く安心して演劇をお届けしたいし、皆さんが不安なく劇場まで観に来てくれる状況になることを祈るばかりです。iakuとしては、引き続き感染予防対策を行いながら、上演に向けてやれることを粛々と進めていきます。皆様も、ご自身の健康を第一に毎日を無事に過ごしてください。そして、春に晴れてお会いしましょう。

横山拓也


-あらすじ-
27年前。絵画教室に通う幼い二人の間に起きた小さなもめごとの最中、不可抗力で男の子が片方の目を失明してしまった。あの事故以来、会っていない彼のことが記憶の中に立ち上り、彼女は彼に会いに行こうと決意する。ニュースにはならない、しかし、それぞれの人生に多大な影響を与えた出来事を巡り、その後の人生、親同士の関係、被害者になること、加害者側に立つこと、そして「許す/許される」とは何かを考察する。

作・演出:横山拓也 
出演:尾方宣久(MONO)、異儀田夏葉(KAKUTA)、橋爪未萠里、近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ)、納葉、松本亮、川村紗也、猪俣三四郎(ナイロン100℃)

東京公演
■日程:2021/4/17[土]~4/25[日]
■会場:東京・三鷹市芸術文化センター 星のホール
■料金:全席指定
前売:一般3,800円
当日:一般4,300円
U-25(25歳以下):前売2,000円/当日2,500円(当日身分証明証提示)
高校生以下:前売・当日とも1,000円(当日学生証提示)
*早期観劇割引、平日マチネ割引(対象公演:4/17[土]~18[日]、4/20[火]14:00、4/22[木]14:00)
 前売:一般3,300円
 当日:一般3,800円
 U-25(25歳以下)前売1,500円(当日身分証明証提示)
 U-25(25歳以下)当日2,000円(当日身分証明証提示)
 高校生以下:前売・当日とも500円(当日学生証提示)
*「U-25」及び「高校生以下」は、いずれも公演当日の年齢。
*未就学児入場不可

大阪公演
■日程:2021/5/8[土]~5/9[日]
■会場:大阪・吹田市文化会館 メイシアター 中ホール
■料金:全席指定
前売:一般3,800円 
当日:一般4,300円
U-25(25歳以下)前売2,000円(当日身分証明証提示)
U-25(25歳以下)当日2,500円(当日身分証明証提示)
高校生以下:前売・当日とも1,000円(当日学生証提示)
*メイシアターメイトは1割引
*「U-25」及び「高校生以下」は、いずれも公演当日の年齢。
*未就学児入場不可


「演劇最強論-ing」でもチケット取扱!【東京】2021/2/26[金]10:00~【大阪】2021/3/27[土]10:00~発売開始!
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iaku

劇作家・横山拓也による大阪発の演劇ユニット。緻密な会話が螺旋階段を上がるようにじっくりと層を重ね、いつの間にか登場人物たちの葛藤に立ち会っているような感覚に陥る対話中心の劇を発表している。間口の広いエンタテインメントを意識しながら、大人の鑑賞に耐え得る作品づくり、繰り返しの上演が望まれる作品づくりを心掛け活動中。 代表作として2009年「エダニク」(第15回日本劇作家協会新人戯曲賞)、2013年「人の気も知らないで」(第1回せんだい短編戯曲賞大賞)のほか、近年の発表作に2018年「逢いにいくの、雨だけど」(第22回鶴屋南北戯曲賞ノミネート)、2019年「あつい胸さわぎ」がある。 ★公式サイトはこちら★